エリザベス ゴールデン・エイジ

この映画の監督シェカール・カプールの最も大きな功績は、9年前無名だったケイト・ブランシェットを発掘したことだろう。作品そのものはぱっとするところは無かったが、彼女の存在感は「女王」の何ふさわしいものだった。今作も前作と同様、豪華な衣装やセット、彼女の名演、乗り切れないストーリィが引き継がれている。「女王」ではなく「女性」として苦悩するエリザベス、圧倒的存在感のエリザベスは伝わるのだが、内憂外患(国内の宗教対立、スペインの攻撃)を抱えつつ、大航海時代から近代に移り変わる動乱の時代を泳ぎきり、全盛期の礎を築いた政治的なすごさはあまり伝わらない。