今日のご褒美

ひとがた流しです。とてもせつないです。でも、悲しい物ではありません。人は風船のような物で、他の誰かの思いで地上につなぎ止められている、とは、うまいこというものです。おーなり由子さんの表紙絵は10代の女性3人が描かれていますが、実際はこの20年以上後、40代の女性3人の話です。40代女性の友情話を、還暦近いおっさんが書いているというシチュエーションはなかなかものすごいです。だからこそ少し現実離れしていて、それが逆に普遍性のあるような不思議なものになっているのかもしれません。

ひとがた流し (新潮文庫)