今日のご褒美
7月に読んだ本です。「崖の館」は30年くらい前に書かれた館系ミステリーです。世に出るのが早すぎたのか、作者はすでに鬼籍に入っています。トリックの巧妙さよりも、非現実的な館の雰囲気、衒学的な会話が魅力です。「地球最後の男」はリチャード・マシスンの名作古典SF。マシスンは恥ずかしながら初読でした。だって絶版ばかりなんだもの。みつを。ゾンビものの雛形的作品といえるでしょう。「戻り川心中」は情欲と花のかほりに満ちた浮世離れしたミステリー連作集。これも、トリックの巧妙さよりも、雰囲気を楽しむ作品です。そもそもミステリーである必要があるのか、それすらもミステリーです。「きつねのはなし」は森見氏による怪奇もの。相変わらず京都が舞台で、細かい地名の描写のおかげで、景色が目に浮かびます。今までとは作風が異なるので、これを森見氏の初読にするのはやめましょう。「魔王」は少し期待はずれです。会話の巧妙さとか、ディテールは「らしく」てよいのですが、肝心のストーリーが尻すぼみ。
- 作者: 佐々木丸美
- 出版社/メーカー: 東京創元社
- 発売日: 2006/12/21
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- 作者: リチャード・マシスン,尾之上浩司
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 2007/11/08
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- 作者: 連城三紀彦
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- 作者: 森見登美彦
- 出版社/メーカー: 新潮社
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- 作者: 伊坂幸太郎
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