サイコ

映画好きならば死ぬまでに必ず見る作品...の原作である。今では当たり前のようにサスペンスに登場するサイコさんだが、これは今から半世紀前に書かれたということが特筆に値する。とはいえ、この小説も「悪魔の生け贄」「羊たちの沈黙」の元になっているエド・ゲイン事件が下敷きになっているようだ。で、肝心の作品の方だが、確かに面白く読める名作ではあるものの、やはり、映画を見た後では見劣りしてしまう。今のサスペンスの雛形になっているという点では価値があるのだが、当然ながら新鮮さは無い。作品とは関係ないが、巻末の解説が、映画の話が中心だったのが少し淋しかった。

サイコ (ハヤカワ文庫 NV 284)

サイコ (ハヤカワ文庫 NV 284)