間違いだらけのアトピー治療

アトピービジネスという言葉の提唱者である竹原氏による著作。アトピーが難治症として位置づけられ、ステロイド剤が悪玉として仕立て上げられた経緯が分かる。そして、よい医者を見つけてその指示に従うことが最良の道という筋立てである。ステロイドによる治療は副作用というリスクはあるものの、きちんとコントロールしていけばしっかりリターンが得られるのであろう。逆に、一時期流行していた民間治療は、結局のところ人の自然治癒能力に頼るので、薬の副作用というリスクは無いがリターンが得られにくく、下手をすると社会生活を営むことも困難になりかねない。紙幅のせいかどうかは分からないが、この著作にはステロイド剤の副作用についてはほとんど得られていない。アトピービジネスが蔓延ったのは、この副作用につけ込んだものもあるだろうから、これへの反証が書かれていればもう少し説得力のあるものになったと思う。

間違いだらけのアトピー治療 (新潮新書)

間違いだらけのアトピー治療 (新潮新書)