ノー・カントリー

'08 3-29 TOHOシネマズ梅田にて鑑賞。コーエン兄弟は、いい意味でこちらの予想を裏切る作品を作ってくれた。コーエン兄弟の得意とする音楽をいっさい使わず、静寂の中に響く環境音だけで、緊張感を高める手法を使ってきた。音だけでなく、台詞も非常に少なく、お得意のユーモアも全くといっていいほど存在しない。すべての虚飾を排して、伝わってくることは「厳しい現実」のみ。誰が喜んで見るんだそんな映画。やまなしおちなしいみなし、現実なんてそんなもの、そんなのを作品として完璧に仕上げてしまう計算高さはやっぱりすごい。そんな現実を生きていくにはどうすればいいかなんて答えも出してくれない。もしかすると、作中のトミー・リー・ジョーンズ位の年になれば、少しだけ見えるのかもしれない。