逸翁美術館

開館50周年となる池田の逸翁美術館に行った。教科書にも載ってる秀吉の絵とか、蕪村の奥の細道巻物とか、呉春の絵とか。呉春は今でこそ、池田の地酒の銘柄として有名だが、蕪村に師事した画家である。

今週は小説3冊と、漫画2冊。

ヴァージン・ロード (下巻) (新潮文庫)

ヴァージン・ロード (下巻) (新潮文庫)

やっぱり巧いなぁ。心理描写も少ないし、ほとんど会話文なんだけど、主人公の心理が自然に伝わってくる。むしろ、描写が無いからこそ、読者がそこを補完して共感しやすいようになっているのかもしれない。20年以上前の小説なので、28歳の女性が「行き遅れ」というのは現代ではあり得ないし、その他文化的なギャップはどうしても感じてしまうが、人間の心理なんてそうそう変わらないもので、いまでもたくさんの女性が共感して読めるのではないだろうか。

マダム・エドワルダ/目玉の話 (光文社古典新訳文庫)

マダム・エドワルダ/目玉の話 (光文社古典新訳文庫)

官能的で観念的でグロい。簡潔で叙事的なマダム・エドワルダと、幾分叙情的な目玉の話と、両者の表層は対照的だが、基本は同じ。死と孤独とエロスってのはなんとなく山本直樹っぽい。

バトル・ロワイアル 上  幻冬舎文庫 た 18-1

バトル・ロワイアル 上 幻冬舎文庫 た 18-1

古本屋で発券したので購入した。いろいろ物議をかもした小説だが、プロットとしてはキングの「死のロングウォーク」の焼き直しだし、正直のところ、何がそんなに問題になったのかはよくわからない。実際の中身も、クラスメートが殺しあうという異常な点を除けば(除くのか?)、まっとうな(ちょっとバタ臭い)青春ものでもあり、アクションものでもあり、見事なエンタメ小説である。

竹光侍 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

竹光侍 2 (BIG SPIRITS COMICS SPECIAL)

シグルイ無限の住人のように血のにおい、臓物のにおいは漂ってこず、動きも無く、掛け軸のようなシンプルな絵が並ぶ。でも、なぜか、当時の人たちの息づかいが伝わってくるから不思議だ。

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

ヒストリエ(1) (アフタヌーンKC)

アレクサンドロス大王に仕えたエウメネスの生涯を描いた作品。アリストテレスエウメネスが出会うところから物語が始まる。今のところエウメネスの秀才ぶりが披露されるエピソードが単発的に続くのみで、大きなストーリーの動きは見せていない。